「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝

しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めて

おられることである」(テサロニケ人への第1の手紙5章16~18節)

 

 私は、昨年の3月まで3年間、ひと月に一度北九州にある伝道所でメッセージと教会形成のご用をさせていただきました。私のあとには、北九州にお住まいの牧師先生ご夫妻に、月に一度おいでいただくことになり、現在もご用をしてくださっています。

 

先月、ご夫妻から、一枚のCDが贈られてきました。奥様は、ゴスペルのシンガーソングライターとして活躍されておられ、全国の教会に招かれてコンサートを開かれています。私達の教会にも5年ほど前においでくださり、コンサートを開いてくださいました。

 

 贈っていただいたCDを聴き終って、心が震えるほどの感動を覚えました。それは、このCDに収められている曲のひとつひとつが出来るまでに、どれほどの苦しみ、葛藤、悩み、そして喜び、感動、感謝があったかを知らされていたからです。そのことについて、このCDに収められています曲の説明の中に、次のように書かれています。「これまでの人生でいちばん辛く、苦しく、悲しい経験をしましたが、それよりも、もっと理不尽で、辛く苦しい十字架にかけられたキリストの姿を思うとき、その命を捨てるまでに私たちを愛し、赦し、生かしてくださった、大きすぎるほどの愛に、何をもって応えることができるのだろうと思い巡らしました。そんな痛みの中からこの曲が生まれました」(『あなたの手のひら』)と。

 

 また、その中のひとつに『毎日が奇跡』という曲があります。

 

日々の営みの中で 起こっている小さな奇跡

当たり前のことのようで 当たり前じゃない

朝日が差し込み目覚めると 生かされている不思議な奇跡

あたたかないのちの鼓動 当たり前じゃない

陽の光にきらめく草木 花はほころび 鳥は歌う

山も海も いのち輝く

 

毎日が奇跡の連続 神様の奇跡の物語

毎日が奇跡の連続 神様の素敵な贈り物

(CD『Life is Beautiful 』)

という歌詞です。

 

 何度も何度もこの曲を聴いていますと、本当に心の底から「アーメン(その通りです)」という思いが湧いてきます。イエス様と出会い、イエス様と日々歩んで行くという新しい人生に変えられると、今まで当たり前のように思えていたことが当たり前ではないことに気づかされてきます。朝起きて感じる心臓の鼓動にいのちの不思議さを覚えたり、周りの景色の移り変わりや鳥のさえずり声に、また手足が自由に動かせることなど。このような日々の営みの中で起こっている小さな奇跡を、今まで見過ごしてきたことに気づかされるのです。

 

 神様がイエス様を通して、私たちに求められていることが、上記の御言葉に記されています。それは、「わたしは、あなたのことを片時も忘れたことはない。あなたが悩み苦しみ、悲しみの中にある時も、わたしは、あなたを守り、支え、助ける。だから、あなたは、いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことに感謝しなさい」と私達に求めておられるのです。神様からのこの言葉は、決して掟や命令ではありません。それは、神様の私たちに対する約束なのです。

 

 このCDを製作された姉妹は、大きな試練を経て、神様からの素敵なプレゼンをその手に抱かれました。今でも先生ご夫妻のご自宅に招かれ、手作りの心のこもった夕食の接待にあずかった時のことが忘れられません。それは、主にある素敵な交わりでした。そのご家庭に、新しいいのちが誕生したことを知らされ、心から喜び感謝しました。

 

 姉妹が作られた曲のひとつひとつを通して「神がなされることは、すべて時にかなって美しい」(伝道の書3:11)という御言葉の深い意味を知らされます。神様は、私たちの悩み、苦しみ、悲しみ、喜びのすべてを知っておられ、時にかなって最高のプレゼント(贈り物)を私たちに与えてくださるお方なのです。

 

イエス様と共にあるならば、私たちの人生は「毎日が奇跡」の歌詞にあるように神様の奇跡の物語に変えられていくのです。何と素晴らしいことでしょう。